irAEアトラスについて

「irAEアトラス」では、オプジーボ、ヤーボイに起因する免疫関連副作用(irAE)のマネジメントについて、実践的かつ最新の情報を実臨床に携わる先生方にご提供して参りました。一部のがん腫においてはオプジーボとヤーボイの併用療法が処方可能となり、ますます処方範囲が広がる中、集積された国内外の情報を更新してご紹介いたします。

はじめに

背景

抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)や抗CTLA-4抗体イピリムマブ(ヤーボイ)などの免疫チェックポイント阻害薬は、これまでの殺細胞性抗腫瘍薬や分子標的薬とは全く異なる作用機序を有し、臨床試験では標準治療に比べて生存期間の延長が報告されています1-4)
また、安全性プロファイルにおいては、従来の殺細胞性抗腫瘍薬や分子標的薬ではみられなかった免疫関連の副作用(immune-related Adverse Event:irAE)として、内分泌障害(1型糖尿病、甲状腺機能障害、副腎機能不全、下垂体機能低下症)、間質性肺疾患、消化器系障害(大腸炎、重度の下痢)、神経系の障害(重症筋無力症、筋炎、神経障害など)、肝機能障害など、さまざまな種類の副作用が報告されています。

オプジーボとヤーボイの併用療法

2018年5月には悪性黒色腫、同年8月には根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対してオプジーボとヤーボイの併用療法が適応追加されました。
オプジーボとヤーボイの併用療法適応追加の根拠となった臨床試験では、単剤療法時と比較して、併用療法時に副作用の発現頻度が増加する事象が認められております。ただし、有害事象の対処法アルゴリズムに従い早期に診断および治療を行うことで管理可能と考えております。また、副作用の発現時期については、大きな違いを認めておりません(詳細は適正使用ガイドに掲載された各副作用の発現時期及び有害事象の対処法アルゴリズム等の項を参照ください)5,6)。併用療法時の安全性情報は限られていることから、適正使用ガイドを熟読の上、引き続き両剤の適正使用をお願いいたします。

irAEアトラスでは、引き続きirAEの早期発見と診断、適切な対処法とフォローに役立つ情報提供とともに、国内外で集積されたirAE情報をご紹介して参ります。
  1. 小野薬品工業:海外第Ⅲ相(CA209066)試験成績(社内資料)承認時評価資料
  2. 小野薬品工業:海外第Ⅲ相(CA209017)試験成績(社内資料)承認時評価資料
  3. 小野薬品工業:海外第Ⅲ相(CA209057)試験成績(社内資料)承認時評価資料
  4. 小野薬品工業:国際共同第Ⅲ相(ONO-4538-03/CA209025)試験成績(社内資料)承認時評価資料
  5. 小野薬品工業、ブリストル・マイヤーズ スクイブ:オプジーボ、ヤーボイ適正使用ガイド、2020年12月作成
  6. 小野薬品工業、ブリストル・マイヤーズ スクイブ:オプジーボ適正使用ガイド(単剤版)、2020年12月作成

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