【甲状腺機能障害】 病態・発現状況: 病態と臨床症状

薬剤性の甲状腺機能障害には、甲状腺機能低下症をきたすものと、血中の甲状腺ホルモン値が上昇して甲状腺中毒症をきたすものがあります1)。甲状腺中毒症とは原因の如何によらず血中の甲状腺ホルモン値が上昇して動悸などの甲状腺ホルモン作用が過度に出現している病態であり、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)と破壊性甲状腺炎(亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎)が含まれます。
オプジーボ、ヤーボイの投与により、甲状腺機能障害が起こることが報告されています。免疫チェックポイント阻害薬による甲状腺自己免疫の活性化の結果、甲状腺炎が発症することが主病態と考えられます2)。オプジーボによる甲状腺機能障害の発現パターンは大きく分けて2つあり3)、一過性の甲状腺中毒症を呈した後に甲状腺機能低下症に至るパターンと、徐々に甲状腺機能低下症が進行するパターンです(図1)。オプジーボによる甲状腺中毒症は、破壊性甲状腺炎と考えられます。まれですが、ヤーボイによる甲状腺機能亢進症、バセドウ眼症様症状の副作用が報告されています4-6)。
キーワード:内分泌障害,甲状腺機能障害,臨床症状,甲状腺機能低下症,甲状腺中毒症
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