irAEの適切な対処法臨床からの実例 (症例①~③)

Case Reportのご紹介

オプジーボ、ヤーボイ投与による腎障害や膀胱炎が報告1, 2)されており、適切な対処が必要です。
「臨床からの実例」では、早期診断、適切な治療介入の参考にしていただけるよう、これまでに報告された症例の一部をCase Reportとしてまとめました。これらの知見を日常臨床の場でご活用いただけたら幸いです。
なお、腎関連有害事象の発現頻度や程度については「発現状況」をご参照ください。また、対処法については「治療」を参照してください。

Case Report の見かた

  • 「治療経過」では、実際の画像所見をご紹介するとともに、発現した副作用の特徴や特筆すべき点を太字にし、治療経過をわかりやすくまとめました。
  • 「専門医からのコメント」では、治療経過や画像所見から読み取った症例の解説や対処法について、監修者よりコメントをいただきました。

ここで紹介する症例は、今まで報告された症例の中から抜粋した症例ですが、検査や治療については個々の症例で異なりますので、患者状態を考慮し、症例ごとでご判断ください。

  1. 小野薬品工業、ブリストル・マイヤーズ スクイブ:オプジーボ・ヤーボイ適正使用ガイド、2018年11月作成
  2. Shimatani K, et al. Urol Case Rep. 2018; 17: 97-99

症例①  オプジーボ投与により間質性腎炎を発症した症例

年齢、性別
60歳代、女性
原疾患
悪性黒色腫
原発部位
左踵部
転移部位
左鼠径リンパ節、左膝窩リンパ節、左下肢多発in-transit転移
既往・合併
子宮筋腫

治療歴

治療歴

治療経過

治療経過

専門医からのコメント:

本症例において、腎生検結果と尿中β2MG・尿中NAGの遷延から、自己免疫反応が長期にわたって継続していることが判明した。オプジーボ投与中だけでなく、投与中止後もirAEの可能性を常に念頭におき、患者の自覚症状や定期検査による早期発見、腎臓専門医へ相談にて早期に対処し、随時評価することが重要である。

※:オプジーボの国内で現在承認されている悪性黒色腫における用法・用量は、「通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。ただし、悪性黒色腫における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
根治切除不能な悪性黒色腫に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回80 mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。」です。

治療経過(画像所見)

図1 腹部CT画像
図1 腹部CT画像(Day 113)
Day 113:両腎は著明に腫大(腎盂腎炎が疑われた)
図1 腹部CT画像(Day 196)
Day 196(腎生検後):両腎の腫大は改善、両側腎盂腎炎の所見は消失
図2 腎生検の病理組織所見(Day 182)
図2 腎生検の病理組織所見(Day 182)
(左)HE染色 : 糸球体に著変なし。間質にリンパ球を中心とした炎症細胞の浸潤あり。
(右)Masson染色 : 慢性期の所見である線維化病変(青く染色された部分)と、急性期の所見である尿細管上皮の壊死像(赤く染色された部分)が認められた。
図3 臨床検査値
図3 臨床検査値

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症例② オプジーボ投与により尿細管間質性腎炎を発症した症例

年齢、性別
80歳代、女性
原発
根治切除不能な悪性黒色腫(右臀部)
転移部位
所属リンパ節転移、遠隔リンパ節転移、右鼡径・骨盤内・傍大動脈・縦隔・頸部に多発リンパ節転移
合併症
クリプトコッカス肺炎
既往歴
なし

治療歴

治療歴

治療経過

治療経過

専門医からのコメント:

本症例は、オプジーボ投与2回目でぶどう膜炎、溶血性貧血、尿細管間質性腎炎を併発した症例である。ステロイド投与により、症状が回復し、その後オプジーボ治療が再開できている。
今回、患者が異変に対し、すぐに連絡をしたことにより、迅速に処置対応が行えた。患者指導の際には、少しの異変でも連絡をするよう伝えておくことが必要である。

※:オプジーボの国内で現在承認されている悪性黒色腫における用法・用量は、「通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。ただし、悪性黒色腫における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
根治切除不能な悪性黒色腫に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回80 mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。」です。

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症例③ オプジーボ投与によりネフローゼ症候群を発症した症例

年齢、性別
70歳代、女性
原発
根治切除不能な悪性黒色腫(顔:粘膜部以外・頭頸部)
転移部位
所属リンパ節転移、皮膚転移
合併症
原発性胆汁性肝硬変、高血圧、左乳癌
既往歴
なし

治療歴

治療歴

治療経過

治療経過

専門医からのコメント:

ネフローゼ症候群は、糸球体性の大量の蛋白尿による低アルブミン血症の結果、浮腫が出現する腎疾患群であり、免疫チェックポイント阻害薬による報告は少ない。
本症例は、オプジーボ投与3回目後にネフローゼ症候群を発症した症例であり、ステロイド治療により症状は軽快しており、オプジーボ治療は継続していた。投与から1年後に再度、ネフローゼ症候群を発症しているがステロイド治療により軽快している。
今回は抗腫瘍効果が認められていたこともあり治療継続を行ったが、患者へのリスクベネフィットを十分考慮し、治療再開・継続を検討する。

※:オプジーボの国内で現在承認されている悪性黒色腫における用法・用量は、「通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。ただし、悪性黒色腫における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。
根治切除不能な悪性黒色腫に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回80 mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240 mgを2週間間隔で点滴静注する。」です。

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臨床からの実例 (症例④~⑤)